Computer Consultant Association

背景

1997 年に設立されたComputer Consultant Association（CCA）は、システム設計、導入、サポートを専門とする IT エンジニアリングおよびコンサルティング企業として、ポーランドで高い評価を築いてきました。長年にわたり、同社は信頼できる Microsoft 認定パートナーとなり、HPE、Cisco、Dell、QNAP など幅広いベンダーに関する専門知識を獲得しました。

IT コンサルティングや統合業務に加え、CCA は 2010 年に独自の SaaS プラットフォーム WiFi-Spot.net を開発・開始しました。現在では、公共イベント、交通機関、企業などで数千の Wi-Fi ホットスポットを運用しており、非常に高い可用性、スケーラビリティ、効率性の維持が求められています。

課題

長年にわたり、CCA は HP Enterprise SAN iSCSI ソリューションを利用してストレージを提供してきました。しかし需要が増加するにつれ、パフォーマンスが低下し、老朽化したシステムの維持も自信を持って行うことが難しくなりました。

「SAN がワークロードに追いつかなくなった時点に達しました」と CCA の CEO、Tomaszewski は説明します。「問題はパフォーマンスだけではなく、信頼性も懸念となり、拡張や維持のコストももはや合理的ではありませんでした。」

同時に、CCA は GlusterFS や Longhorn など他の HA ファイルシステムも管理していました。機能的ではあるものの、運用の複雑さやコストが増加していました。

CCA は、コスト効率が高く、信頼できる、そして最新の High Availability ソリューションを必要としていました：

• エンタープライズ SAN と同等のパフォーマンスを、1 テラバイトあたりのコストを抑えて提供すること。
• 重要なサービスの稼働率を最低 99.995% 保証すること。
• 管理を簡素化し、運用負荷を軽減すること。
• 高性能な Kubernetes 導入や、将来の AI データワークロードをサポートすること。

ソリューション

選択肢を評価した結果、CCA はQNAP High Availabilityを採用しました。QNAP TS-h1277AXU-RP NAS ユニット 2 台を高可用性 RAID- 1 クラスタとして導入し、専用の 10GbE ハートビートリンクで接続、データセンターの 40GbE コアネットワークに統合しました。このアーキテクチャにより、クラスタ IP アドレスが一つとなり、フェイルオーバー時でもすべてのストレージサービスへの途切れないアクセスが保証されます。

「最初から、QNAP はパフォーマンスと手頃な価格の組み合わせで私たちを驚かせました」と Tomaszewski 氏は語ります。「従来の SAN ソリューションのオーバーヘッドなしで、可用性の高いエンタープライズグレードのクラスターを構築できました。」

このソリューションは、セキュリティと効率性を重視して慎重に設計されました。ネットワークトラフィックは VLAN に分割され、個々のサービスを分離し、セキュリティを強化しました。すべてのベアメタルサーバーは、40GbE アップリンクまたはデュアル 10GbE リンクを使用してコアスイッチに接続され、スループットと冗長性を最大化しています。

この基盤の上に構築された QNAP HA クラスターは、以下を含む多様な重要なストレージサービスをサポートします：

• バックアップ SMB 共有: VM バックアップおよびデータベースのスナップショットのための集中型ストレージで、信頼性の高いリカバリーと効率的なデータ保護を実現します。
• NFS 永続ストレージ: Kubernetes クラスター向けの高性能ストレージで、重要なワークロードや Web アプリケーションを支えます。
• 専用 NFS 共有: Linux VM およびクラスタ化サービスのための共有ストレージで、スケーラビリティとサービスのレジリエンスを向上させます。
• iSCSI ターゲット: HA 対応ボリュームで Hyper- V クラスターをサポートし、仮想化やデータベース運用を円滑にします。

QuTS hero の ZFS アーキテクチャとキャッシュ機能のおかげで、CCA はよりコスト効率の高いドライブを使用しながら高いパフォーマンスを達成し、従来システムと比べてボリューム管理も簡素化されました。レガシー SAN の廃止とワークロード移行を含む全セットアップは、CCA のエンジニアによってわずか 1 週間で完了しました。

結果

CCA の運用は QNAP HA ストレージへのスイッチにより変革されました。フェイルオーバーテストでシームレスな継続性が確認され、パフォーマンスも従来の SAN やネイティブ Kubernetes HA ファイルサービスを容易に上回りました。

「フェイルオーバーは期待通りに動作し、速く、スムーズで、エンドユーザーには全く気付かれませんでした」と Tomaszewski 氏は述べています。「これにより、ダウンタイムを心配せずにサービスを拡張し続ける自信が持てます。」

主な成果：

• エンタープライズ信頼性: HA パフォーマンスは 99.995% の稼働率要件を超えました。
• コスト最適化: TB あたりのコスト比率が低く、保守作業の負担も減少し、TCO を大幅に削減しました。
• 運用の簡素化:複数の HA システムを 1 つの効率的なソリューションに統合することで、貴重なエンジニアリング時間を確保できました。
• 将来への備え:システムはすでに AI データ ストレージや災害復旧拡張に対応できる体制です。